【インプラント症例】40代 女性「他院で奥歯を抜歯後、噛みづらい状態に」静脈内鎮静法を併用した右上奥歯のインプラント治療
本記事には、手術中の様子を写した写真(出血や切開箇所など)が含まれます。苦手な方や体調の優れない方は閲覧をお控えいただくか、十分にご注意ください。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 治療内容 | インプラント治療 |
| 年齢 | 40代 |
| 性別 | 女性 |
| 期間 | 4ヶ月 |
| 費用(税込) | 380,000円(セデーション別途55,000円) |
| リスク・副作用 | 外科手術を伴うため術後の痛みや腫れ、内出血が生じる可能性がある |
1. 患者さんのご紹介(主訴・お悩み)
今回の患者さんは、他院で右上奥歯を抜歯した40代の女性です。
元々、食いしばりの影響で神経を失っていた歯が破折してしまい、やむなく抜歯に至ったとのことでした。食事の際に噛みづらさを感じており、前医からは、欠損部分を補う方法として「ブリッジ」を提案されました。しかし、ブリッジを選択すると欠損箇所の両隣にある健康な歯を大きく削る必要があります。
「健康な歯を削りたくない」という強い思いをお持ちだった患者さんは、Webで検索し、インプラント治療を検討して当院へご相談にいらっしゃいました。
2. ご来院時の状態と診断
初診時、右上の奥歯が欠損しており、お食事の際に噛みづらさを感じていらっしゃる状態でした。歯周病やむし歯といった他のトラブルは見受けられず、丁寧にケアをされている印象を受けました。
精密検査では、パノラマレントゲン撮影に加え、歯科用CTによる撮影を実施いたしました。これにより、インプラントを埋入する箇所の顎の骨の厚みや密度、神経・血管の位置を3次元的に把握しました。その結果、骨の状態も良好であり、インプラント治療により、咬合機能の改善が見込まれると診断いたしました。
お口の周囲を360度回転しながら撮影し、コンピュータ上で立体的な画像を作成する装置です。従来のレントゲンではわからなかった骨の厚み、幅、形態、神経や血管の走行を精密に把握できるため、より的確な診断や治療計画の立案につながります。

3. 治療計画
精密検査の結果を元に、当院では以下のプロセスで治療計画を立て、患者さんにご提案いたしました。
①治療オプションの提示
インプラント、入れ歯、そして再度ブリッジの各方法について、期間、費用、将来的なお口への影響をご説明しました。患者さんは「隣の歯を削らない」という当初の希望から、インプラントを選択されました。
②デジタルシミュレーション
当院の強みは、院内技工士が在籍している点です。再現性の高いシミュレーションモデルを院内で作製し、それをスキャンしたデータとCTデータをマッチングさせました。

③ガイドの作製
データ上でインプラントの埋入位置、角度、サイズをシミュレーションすることで、外科的侵襲(お身体への負担)を抑える計画を策定しました。
また、手術に対する不安を軽減するため、麻酔科の医師による静脈内鎮静法(セデーション)を併用する計画を立てました。
被せ物や入れ歯、治療用装置などを作製する専門職です。通常外部の歯科技工所で製作する場合、歯科医師との連携は難しいとされています。院内技工士の場合、歯科医師と直接連携を取れるため、患者さんのお口の状態や要望を細部まで反映させた、装置やシミュレーションモデルを迅速に作製しやすいです。
腕の静脈から点滴で鎮静剤を注入し、不安や緊張を和らげる方法です。意識がなくなる全身麻酔とは異なりますが、うとうとした状態で痛みや恐怖心が軽減しやすいです。歯科麻酔を専門とする歯科医師が全身状態を管理しながら行います。
4. 治療時(手術当日)
手術当日は、以下の流れで治療を進めました。
①術前準備
前日までに麻酔や食事に関する注意事項をお伝えし、当日はまずお口の中のクリーニングを行って清潔な状態を整えました。その後、専用のオペ室へ移動していただきます。当院では衛生面を徹底するため、クリーニングを行う一般診療室と、外科手術を行うオペ室を分離しております。
②静脈内鎮静法とモニタリング
手術中は麻酔科の歯科医師が立ち会い、常に生体情報モニターで血圧や心拍数をモニタリングします。静脈内鎮静法により、患者さんは眠っているような状態で、比較的リラックスして手術を受けていただけるよう配慮しています。
③インプラント体埋入(1次オペ)
事前に作成したシミュレーションに基づき、インプラント体を予定通りの位置に埋入しました。ガイドを用いたことで、短時間で身体への負担に配慮した手術となりました。
④ヒーリングアバットメント装着(2次オペ)
通常、インプラントの手術には「1回法」と「2回法」があります。骨が足りない場合やインプラントの安定性がない場合、安全性を高めて感染リスクを下げるために手術を2回に分ける「2回法」が選ばれます。
1次オペ(インプラント体の埋入)から3ヶ月後、インプラントと骨がしっかり結合したのを確認してから2次オペを行いました。歯茎の中に隠していたインプラント体を外部と交通させ、「ヒーリングアバットメント」と呼ばれるキャップを装着します。

5. 治療後・予後
インプラントを埋入してから約3ヶ月後、顎の骨に固定されたことを確認し、仮歯を装着しました。この仮歯を1~2ヶ月間使用していただくことで、歯ぐきの形態を整え、噛み合わせのバランスを細かく調整していきました。
最終的には、強度と審美性に優れたフルジルコニアの被せ物をセットして、治療は終了となりました。「隣の歯を削らずに、以前に近い感覚で噛めるようになった」と、患者さんにもご満足いただいた様子でした。 今後はインプラントを長持ちさせるため、定期的なメインテナンスを継続していきます。

当院では、インプラント治療においてデジタル技術を活用した診査・診断を行い、専門の歯科医師・技工士が連携して治療にあたっています。
麻酔を専門とする歯科医師の管理のもと、静脈内鎮静法によりリラックスした状態でインプラント治療を受けていただけます。ご希望に応じて、笑気麻酔にも対応しております。
歯を失ってしまい、他の歯を守りながら噛みやすい状態を目指したいとお考えの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
監修
院長:秋庭 恭(歯学博士)
■受講・セミナー
UCLA大学 審美歯科医 育成2年コース 修了
藤本研修会 エンドコース 修了
インプラント ベーシックコース(MAXIS Implant Institute)修了
インプラント アドバンスコース(MAXIS Implant Institute)修了
内藤正裕 補綴咬合コース 修了
日本臨床歯科補綴研修会コース 修了
■所属学会
厚生労働省臨床研修指導医
昭和大学病院地域連携歯科医院
益財団法人日本スポーツ協会公認スポーツデンティスト認定
一般社団法人国際口腔インプラント学会 認定医
都筑区歯科医師会
横浜市歯科医師会
都筑区保育園医